ナント3割! 電気製品が原因の「電気火災」防止対策のポイント

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火災原因の3割近くが「電気火災」だと知っていますか。

電気火災とは、電気製品が原因で発生する火災のことです。

電気ストーブを筆頭に、プラグやコンセントのショートや、

トラッキング現象が火災発生の原因の上位を占めています。

そうした電気火災がなぜ起きるのか、

どうすれば防ぐことができるのか、

解説します。

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家庭電気製品の火災発生原因上位6

便利な電気製品ですが、誤った使用方法や、使用環境によっては火災の原因となり、尊い命を奪ってしまうことがあります。

たとえば、東京消防庁管内での火災件数は年々減少していますが、電気製品を原因とする火災は毎年1000件前後のまま、減少していません。

つまり、火災全体の中で電気火災が占める割合は、逆に増加しているというわけです。

東京消防庁によれば、平成29年中における家庭電気製品の火災発生原因上位6は、

主な電気製品の出火.jpg

第1位:電気ストーブ100件

第2位:コード73件

第3位:差込みプラグ64件

第4位:コンセント59件

第5位:リチウムイオン電池が56件

第6位:電子レンジが45件

となっています。

第1位:電気ストーブ火災の防止ポイント

電気ストーブ
電気火災の原因トップは「電気ストーブ」だ。
  1. 電気ストーブは、一見安全に思えますが、高熱を発しますので、使用に際しては、燃えやすいものを近くに置かない、
  2. 就寝前には必ず電源を切ること。

第2~4位:コンセントやプラグのショート

延長コードの差込みプラグや電気機器の電源プラグを、コンセントやテーブルタップに差し込む際、アース線やヘアピンなどを挟み込んでしまい、ショートして出火する火災が増加しています。

平成29年中に、「他の媒体を介してショート」した火災は33件で前年の22件から11件増加し、過去10年間で最も多くなっています。

電気機器の使用の有無にかかわらず、コンセントに電源プラグを接続しているときには通電しており、感電や火災の危険があることを認識しましょう。

コンセントやプラグは、古いものや壊れたものを使用すると短絡(ショート)したり過熱し、火災が発生しています。

プラグをコンセントに差込む際に、アース線やヘアピン等を挟み込むなどが原因の火災も発生しています。

第2~4位:コンセントやプラグのトラッキング現象

トラッキング現象
出典:東京消防庁

また、水分やほこりなどが付着してトラッキング現象が起きて、火災が発生する場合があります。

平成29年中、東京消防庁管内では、延長コードの差込みプラグや電気機器の電源プラグのトラッキング現象による火災が34件発生し、前年の28件から6件増加しています。

トラッキング現象とは、コンセントに差し込んだプラグの差し間に付着した綿ぼこり等が湿気を帯びて微小なスパークを繰り返し、やがて差し刃間に電気回路が形成され出火する現象を言います。

トラッキング現象による火災は、隠れた部分で発生することから、発見が遅れて思わぬ被害に繋がる場合があります。

こうしたことが原因の火災を防ぐためには、日頃から使用している電気製品や電源コード、コンセント、差込みプラグなどの点検を行うことが大切です。

また、日常使用していない器具は、差込みプラグをコンセントから抜いておくよう心がけましょう。

では次に、電気火災をどのように防いだら良いか、そのポイントをお伝えしましょう。

トラッキング現象を防ぐためのポイント

  1. コンセントやプラグは、ほこりなどがたまらないよう、きれいに保つ。
  2. プラグはていねいに扱う。
  3. イタミみやユルミがあるプラグは使わない。
  4. プラグはしっかり差し込む。
  5. 日常使用していない器具は、電源を切り、コンセントを抜いておく

電気コードの短絡(ショート)に注意

電気コードが家具の下敷きになっていたり、コードをステーブルなどで強く固定してしまうと、被覆や心線を傷つけて短絡(ショート)などの原因となります。

それによって火災が発生することがあります。また、コードを束ねることで熱がたまり、被覆が溶けて火災の原因となることがあります。

電気コードのショートを防ぐためのポイント

  1. 家具等でコードを踏まない。
  2. コードをステーブルなどで固定しない。
  3. コードの位置を点検する。
  4. コードは束ねない。

横浜市の公式サイトによると、こんな火災があったそうです。

•テレビを見ていたところ、テレビ台キャスター部分の下敷きになっていた電気コードが、短絡(ショート)して火花が散って、じゅうたんなどに燃え広がりました。

•テーブルタップのコードを束ねたまま、オイルヒーターとこたつの電源コードを差して許容電流を超えて使用していました。すると、テーブルタップの束ねていたコード部分に熱がたまり、被覆が溶けて短絡(ショート)して火花が散り、こたつふとんなどに燃え広がりました。

たこ足配線はしない、電気容量を守る

電気コードは、使用できる電気の容量が定められていて、許容量を超えると熱を持ち、それが原因で火災が発生することがあります。

電気コードが原因の火災を防ぐためのポイント

  1. たこ足配線をしない。
  2. テーブルタップを使用する場合は、電気容量を守る。

※許容電流/電線(ケーブル)などに流せる最大の電流のことです。たとえば、テーブルタップに繋がっていり電化製品のワット数を足し、その数値がタップの許容量を超えないようにします。

コンセント・プラグ・コードの注意点

  1. 差込みプラグを抜く際は、コード部分を持って引っ張らないで、プラグ本体を持つようにする。
  2. 差込みプラグは、コンセントと緩みがないか点検する。
  3. コードが、家具などの下敷きになったり、押しつけなどにより傷ついたりしないように注意する。
  4. コードを束ねたり、ねじれたままの状態で使用しない。
  5. コンロの上方など、コードが加熱されるような場所では使用しない。
  6. コードを柱などにステップル止めをしない。
  7. コンセントやコードには、使用できる電気量に制限があります。表示されている電気量を超えないよう気をつける。
  8. 心線(コードなどの中心部にある銅線)同士をねじり合わせて、直接つなげて使用したりしない。
  9. コード短絡保護機能付分電盤を設置する。

第5位:リチウム電池

スマホリチウム電池が発火

近年、携帯端末などを外出先でも充電できる「モバイルバッテリ」などが急速に普及しているため、これらに使用されているリチウムイオン電池、リチウムポリマー電池などが原因の火災が増加しています。

平成29年、モバイルバッテリ、スマートフォン、タブレット、電子たばこ、ノートパソコンなどに使用されているリチウムイオン電池関連から出火した火災は56件で、前年と比べて1件増加しており、最近5年間で最も多い件数となっています。

発生した56件を製品用途別でみると、「モバイルバッテリ」が11件で前年の15件から4件の減少、次いで「ノートパソコン」が9件、スマートフォンなどの「携帯電話機」が8件などとなっており、いずれも前年より増加しています。

また、発生した56件のうち、18件が使用を誤ったことで出火しており、具体的には、「充電方法を誤った」、「分解しようとして外部から衝撃を受けた」、「誤って穴を開けた」などがあります。

リチウム電池は、こうした誤った方法が原因で出火するのはもちろんですが、通常の使用方法でも出火する場合もありますので注意が必要です。

リチウム電池火災を防止するポイント

  1. 正しい方法で充電する。
  2. 分解したりしない。
  3. 穴を開けたりしないよう気をつける。
  4. 正しく使っていても発火することがあるので気をつける。

第6位:電子レンジなどの誤った使用が火災原因

電子レンジも火事の原因に

意外なのは、電子レンジの出火。過度の過熱や電子レンジに入れてはいけないものを加熱すると出火する危険があることを知っておくべきです。

電子レンジが原因の火災を防ぐためのポイント

  1. 電子レンジは取扱説明書や食品のパッケージ等の注意事項を守る。

最後に、白熱灯・蛍光灯、電気製品全般、地震・風水害時の火災防止ポイントを挙げ、終わります。

白熱電灯・蛍光灯の火災防止ポイント

  1. 物置きやクローゼット内の白熱電球の近くに、衣類や寝具を置かない。
  2. クリップ式の白熱電球は、傾きや緩みでずれていないか点検する。
  3. 蛍光灯の安定器は、定期的に点検や交換を行う。
  4. 照明器具に衣類やタオルなどの物をのせたり、覆いかぶせたりしない。
  5. 照明器具を使用した後は、スイッチを必ず切り、安全を確認する。

電気製品全般の火災防止ポイント

  1. 使用する前に、電気製品の取扱説明書をよく読む。
  2. 使用していない電気製品の差込みプラグは、コンセントから抜いておく。
  3. 故障した場合は、自分で分解せず、専門の業者に修理を依頼する。
  4. 電熱器等の電気製品の周囲には、燃えやすいものを置かない。
  5. 長年使用していなかった電気製品は、使用する前に専門の業者に点検を依頼して、安全を確認してから使う。
  6. 長年使用している電気製品は異常がないか点検する。

地震・風水害時の火災防止ポイント

  1. 普段から、使用後は電気器具のスイッチを必ず切るとともに、差込みプラグをコンセントから抜く習慣を身につける。
  2. 地震後、避難する前にアンペアブレーカーを切り、電気に起因する火災の発生を防止。
  3. 地震に備えて、感震機能付分電盤や感震機能付コンセントを設置する。
  4. 断線したり、垂れ下がったりしている電線には、絶対に触れない。
  5. 一度水につかった屋内配線や電気機器は、漏電など火災の原因となるので、使用しない。

参考サイト

東京消防庁ホームページ

横浜市ホームページ

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