電子レンジが原因の火災が増加しています。
- 電子レンジ火災を招かないための電子レンジ使用の注意点
- 電子レンジが万一燃焼したときの正しい対処法
を知っておきましょう。
電子レンジからの出火が増加
電子レンジから出火する火災が増えています。
昨年、東京消防庁管内では過去10年で最多の65件が発生しています。
今年もすでに昨年の同じ時期より10件多い、19件が発生しています。
東京消防庁は長時間の加熱や、電子レンジに対応していないアルミ製の包装の使用は控えるよう呼び掛けています。
東京消防庁管内では平成18年からの7年間では、1年間に19件程度の電子レンジの火災が発生していました。
平成25年に29件と急増し、平成27年36件、平成28年にも35件となり、平成25年から平成28年の4年間では1年間に31件程度発生し、増加傾向にあります。
食品の過熱(必要以上に長い時間温める)や、調理不可の包装(冷凍食品でアルミを使った食材で包装したもの)を加熱するなど、誤った使用方法により火災が発生しています。
「火災が起きた場合にはレンジの扉を開けずに電源を遮断し、通報してほしい」とのことです。
電子レンジによる火災事例
マンションの居室内で、居住者の女性が生のさつま芋を温めようと、電子レンジで10分加熱した。更に温めるため、5分加熱し、その場を離れたところ、異音が聞こえたため、戻ってみると、さつま芋が燃え電子レンジから煙が出ているのを発見した。
引用元:東京消防庁
電子レンジ火災の再現実験結果
電子レンジによる火災が増加していることうを受け、東京消防庁では平成28年度、電気火災の抑制方策に関する検討部会を設置し、電子レンジの火災実験を行いました。
この実験によって、さつま芋や中華まんなどは、電子レンジで長時間加熱すると爆発的に燃焼する危険性があることが分かりました。
食品の種類 | 質量 | 出火までの時間 |
---|---|---|
さつま芋(焼き芋) | 120g | 6分26秒 |
さつま芋(生) | 170g | 11分30秒 |
中華まん(肉まん) | 90g | 5分34秒 |
中華まん(あんまん) | 110g | 7分37秒 |
平成29年度、東京消防庁消防技術安全所で再現実験を行なった結果、さつま芋や中華まんなどは電子レンジで5分~12分間、加熱すると、爆発的に燃焼することが確認されました。
が、これはさつま芋や中華まんなどに限らない話です。
食品を長時間過熱すると次のような過程をたどって火災が起きます。
食品を長時間加熱→水分が蒸発→炭化が進行して可燃性ガスが発生→そのガスが庫内に充満→食品の炭化した部分が帯電してスパーク→可燃性ガスに引火→爆発的に燃焼!
どの食品も長時間の電子レンジ作動は危険ですが、特に電子レンジで調理する機会が多い中華まんや、さつま芋の加熱時間には十分に注意が必要ということだそうです。
電子レンジを使用する際の注意点
では、電子レンジを使うとき、どのような点に気を付けたら良いのでしょうか。
東京消防庁は、次のような点をあげて注意を促しています。
- さつま芋や中華まんなどは、長時間過熱すると爆発的に燃焼する危険性がある。加熱時間を長めにせず、取り扱い説明書等で確認する。
- 調理中はその場を離れずに、食品の様子を見ながら加熱する。
- 普段から電子レンジの周囲には、可燃物を置かないようにする。
- 冷凍食品などは、包装の表示を確認してから加熱する。
電子レンジが燃焼したら
もしも電子レンジが爆発的に燃焼したら、下記のように対応しましょう。
- 扉を開けずに電源を遮断する
- 扉を閉めたまま、あわてずに庫内見る。
- 火が消えなければ、扉を閉めたまま、消化器などの消火器具を準備する。
注意:火災が発生したら119番通報!