毎年減少傾向にあるとは言えまだ多発する自動車盗
自動車盗の認知件数は、1999年から毎年急増し、2003年に6万4,223件あった後、減少傾向にあります。
盗難防止性能の高い自動車の普及
イモビライザー等盗難防止装置の普及促進
イモビライザーの性能向上
などの理由によって減少したと見られています。
しかし、2016年でも約1万1千台の自動車盗の被害があり、
まだまだ多発しているとも言えます。
特に日本人の危機意識の低さが窃盗団に付け入るスキを与えています。
また、注目すべきは、キーなしの割合が高いことです。
盗難被害に遭った自動車の4台のうち約3台が、
キーを抜きドアロックをしたにもかかわらず盗難被害に遭っているのです。
犯罪グループが組織的に関与し、犯行に及んでいるものがあります。
犯罪グループにより盗まれた車両は、「ヤード」に運ばれ、不正に解体されているものがあります。
解体した部品を他の車両と合体させて真正な車両として登録し、販売・流通させる例もあります。
盗難被害に遭った自動車は、解体されて中古部品として海外に不正に輸出されたりしています。
盗んだナンバープレートは別の車両に取り付けられ、他の犯罪に使用されらりします。
※ヤード:周囲が鉄壁等で囲まれた作業所等であって海外への輸出等を目的として、自動車等の保管・解体、コンテナ詰め等の作業のために使用していると認められる施設。
自動車ドロボーに人気のプリウス
日本で盗まれる車は、車種に偏りが見られます。
日本損害保険協会が2017年11月に調査した自動車盗難事故実態調査によると、プリウスが4年連続でワースト1位になっています。
トヨタのプリウスが最も狙われる車種ということになります。
自動車盗難認知件数の年別推移
メーカー | 車種(通称名) | 2017年 盗難台数 |
トヨタ | プリウス | 912 |
トヨタ | ハイエース (レジアスを含む) | 562 |
トヨタ | ランドクルーザー | 435 |
いすゞ | エルフ | 249 |
トヨタ | クラウン | 230 |
上位20車種の中にはトラックも5車種(キャンター、フォワード、エルフ、ファイター、レンジャー)入っていて、全体の9%にあたる割合で被害に遭っています。
照明がない夜間の暗い駐車場での被害が多く、窓を割っての大胆な犯行や、カギのピッキング、赤外線や電波を使ったワイヤレスキーの解錠など、手口は実に巧妙になっています。
トランク部分のシリンダー錠を取り外し、カギの形状を読み取って、その場でカギを作ってしまったり、
狙った車を何とレッカー車やクレーン車などで持って行ってしまう手口もあります。
大切なマイカーをいかに守るか
では、大切な自動車を盗まれないようにするには、どうすれば良いのでしょうか。
短時間でも車から離れるときは、完全に窓を閉め、キーを抜いてハンドルロックとドアロックを施しましょう。
自動車にイモビライザーを装着しましょう。
センサーが衝撃・振動・音等の異常を感知し警報音を発する警報装置、
ハンドル固定器具、
タイヤのホイールロック、
GPS追跡装置
等の盗難防止機器を活用しましょう。
見通しがよく、防犯カメラや照明等の防犯設備が充実し、管理された駐車場を利用しましょう。
車内に現金、カード類やカバン等の貴重品を置いたままにすると犯罪を誘発します。車から離れるときは、貴重品を車に置いたままにするのはやめましょう。
ナンバープレートやタイヤ、ホイールなどの部品にも盗まれないよう注意が必要です。
盗難防止ネジなどでしっかり固定するなどして対策をしましょう。
以下は警視庁の公式サイトからのものです。
自動車盗難防止装置
タイヤロック
タイヤに装着し固定する装置
複製できないディンプルキー付きの物が効果的
ハンドルロック
ハンドルに装着し固定する装置
複製できないディンプルキー付きの物が効果的
警報装置
ガラスの破壊やこじ開け等の衝撃を感知した場合に警報音を発する装置
GPS機能付位置探査装置
車両が盗まれた場合でもGPS機能で位置の探査が可能な装置
イモビライザー
エンジンキーに内蔵された電子チップのIDコードと車両側コントローラーのIDコードを照合してエンジンを始動させる装置
以上、警視庁HPより。
イモビライザーとは?
キーに内蔵されたトランスポンダから出される複雑な暗号(IDコード)を車両本体内のコンピュータで照合し、
正規のキーと判定されないとエンジンが掛からない盗難防止装置。
キー自体の機能と電子的な暗号のダブルロックで車を守ります。
市販の後付けタイプもあります。